神戸市民のSNS利用状況調査

年齢別・男女別の分析と2025年トレンド予測

神戸市特有のSNS利用傾向

エグゼクティブサマリー

本調査は、神戸市民のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)利用状況を年齢別・男女別に分析し、2025年のトレンド予測を行ったものです。調査の結果、神戸市民のSNS利用には以下のような特徴が見られました:

  1. 神戸市のZ世代(10代後半~20代前半)は、全国平均と比較してInstagramでの発信に積極的であり、「自ら投稿するため」という目的意識が強い傾向があります。
  2. 年齢層によるSNS利用の差が顕著で、若年層はX(旧Twitter)やInstagramの利用率が高く、高齢層はLINEの利用が中心となっています。
  3. 男女別では、女性のInstagram利用率が男性より高く、特に神戸市の女性は投稿に積極的です。一方、X(旧Twitter)の利用率は男女でほぼ同等です。
  4. 2025年には「居場所の多様化・細分化」がキーワードとなり、目的や関係性に応じて複数のSNSを使い分ける傾向が強まると予測されます。
  5. 神戸市では、Z世代を中心としたコンテンツ発信の活性化や、観光都市としての特性を活かした位置情報連動型SNSの普及が期待されます。

神戸市の年齢別人口構成(2025年)

神戸市の年齢別人口構成

神戸市特有のSNS利用傾向(2025年)

神戸市特有のSNS利用傾向

神戸市民のSNS利用状況(年齢別)

年齢別SNS利用率(2025年)

年齢別SNS利用率
X(旧Twitter)
全国データ:
  • 10代: 65.7%
  • 20代: 81.6%(最も高い)
  • 30代: 61.0%
  • 40代: 約55%
  • 50代: 約40%
  • 60代: 19.6%(最も低い)
神戸市の特徴:

神戸市のZ世代は全国平均と同様に高い利用率を示していると推測される。兵庫県知事選では投票の参考として「SNSや動画サイト」が30%で、「新聞」「テレビ」(各24%)を上回っており、若年層の情報源としての重要性が高い。

Instagram
全国データ:
  • 10代: 72.9%
  • 20代: 78.8%(最も高い)
  • 30代: 68.0%
  • 40代: 約60%
  • 50代: 約50%
  • 60代: 22.6%(最も低い)
神戸市の特徴:

神戸市のZ世代は「自ら投稿するため」という目的でInstagramを利用する傾向が強い。他地域(例:大阪泉州エリア)と比較して、コンテンツ発信志向が強いことが特徴。

Facebook
全国データ:

全体利用率: 30.7%

年齢が上がるほど利用率が高まる傾向。ビジネス利用や特定コミュニティでの利用が中心。

神戸市の特徴:

神戸市特有のFacebook利用率データは限られているが、全国傾向から推測すると、30代以上の年齢層での利用が多いと考えられる。ビジネスネットワーキングや地域コミュニティでの活用が中心。

YouTube
全国データ:

全体利用率: 87.8%

年齢層を問わず高い利用率。

神戸市の特徴:

神戸市特有のYouTube利用率データは限られているが、全国傾向から推測すると、神戸市でも年齢を問わず高い利用率と考えられる。動画コンテンツの消費プラットフォームとして定着。

年齢別の特徴的な傾向
Z世代(10代後半~20代前半):
  • 神戸市のZ世代はInstagramでの発信に積極的
  • SNSを情報源として活用する傾向が強い
  • 幸福度が関西エリアで最も高い
若年層(20代~30代):
  • X(旧Twitter)とInstagramの利用率が特に高い
  • 神戸市を勤務希望地とする大学生が4割近くに増加
中年層(40代~50代):
  • YouTubeとLINEの利用率が高い
  • Facebookの利用も一定数ある
高齢層(60代以上):
  • LINEの利用率が他のSNSと比較して高い
  • 他のSNSの利用率は低い傾向
  • 「スマートこうべ」などのデジタルサービスの認知度が低い傾向

神戸市民のSNS利用状況(男女別)

男女別SNS利用率(2025年)

男女別SNS利用率
X(旧Twitter)
全国データ:
  • 男性: 49.9%
  • 女性: 48.1%

ほぼ同等の利用率

神戸市の特徴:

神戸市特有の男女別利用率データは限られているが、全国傾向から推測すると、男女差は小さいと考えられる。

Instagram
全国データ:
  • 男性: 48.8%
  • 女性: 63.6%

女性の方が利用率が高い

神戸市の特徴:

関西女子はInstagramの利用目的が多様で「自ら投稿するため」「友人の投稿を見るため」「情報収集のため」など、いずれのスコアでも関東女子を上回る。関西男子はいずれの利用目的においてもスコアが低く、関西における男女差が顕著。神戸市の女性は特に「自ら投稿するため」の利用が多い。

男女別の特徴的な傾向
女性:
  • Instagramの利用率が男性より高い
  • 神戸市の女性はInstagramでの発信に積極的
  • 関西女子はSNSの利用目的が多様
男性:
  • X(旧Twitter)の利用率は女性とほぼ同等
  • LINEの利用率はやや女性より高い
  • 関西男子はSNSの利用目的スコアが全般的に低い

神戸市特有のSNS利用傾向

コンテンツ発信志向

神戸市のZ世代、特に女性はSNSでの発信に積極的。「自ら投稿するため」という目的意識が強い。

デジタルサービス認知度の課題

「スマートこうべ」の認知度は低く、約8割が利用したことがない。「存在自体を知らなかった」が利用していない主な理由(60.1%)。

SNSの政治的影響力

兵庫県知事選では投票の参考として「SNSや動画サイト」が30%で、「新聞」「テレビ」(各24%)を上回る。若年層の政治参加にSNSが重要な役割を果たしている。

幸福度との関連

神戸市のZ世代は関西エリアで最も幸福度が高い。SNS利用の活発さと幸福度の高さに何らかの相関がある可能性。

年齢によるデジタルデバイド

若年層はSNSを積極的に活用。高齢層はLINE以外のSNS利用率が低く、デジタルサービスの認知度も低い。

結論と提言

神戸市民のSNS利用状況は、全国的な傾向と共通する部分がある一方で、特に若年層のコンテンツ発信志向の強さや、地域特性を反映した利用傾向が見られます。2025年に向けては、「居場所の多様化・細分化」がキーワードとなり、目的や関係性に応じて複数のSNSを使い分ける傾向がさらに強まると予測されます。

神戸市においては、Z世代を中心としたコンテンツ発信の活性化や、観光都市としての特性を活かした位置情報連動型SNSの普及、地域コミュニティに根ざしたSNS活用の拡大が期待されます。一方で、年齢によるデジタルデバイドの解消や、シニア層のSNS利用促進も重要な課題となるでしょう。

神戸市および関連機関への提言
  1. 若年層のコンテンツ発信支援

    神戸市のZ世代のコンテンツ発信志向を活かした市民参加型の情報発信プログラムの実施。若年クリエイターの育成・支援。

  2. シニア層のデジタルリテラシー向上支援

    高齢者向けのSNS活用講座の拡充。世代間交流を促進するSNS活用プログラムの実施。

  3. 地域特性を活かしたSNS活用

    観光都市としての特性を活かした位置情報連動型のSNSキャンペーンの実施。地域コミュニティ強化のためのSNSプラットフォーム活用。

  4. デジタルデバイド解消への取り組み

    年齢や地域によるSNS利用格差の解消に向けた施策の実施。「スマートこうべ」などのデジタルサービスの認知度向上。

今後の展望
  1. SNSの多様化と細分化の進行

    目的や関係性に応じた複数のSNS使い分けがさらに進む。特定のコミュニティや関心に特化したニッチなSNSの台頭。

  2. リアルとバーチャルの融合

    位置情報連動型SNSやAR/VR技術を活用したSNSの普及。物理的な地域コミュニティとオンラインコミュニティの融合。

  3. AI技術の進化によるSNS体験の変化

    生成AIを活用したコンテンツ作成・編集の一般化。パーソナライズされたコンテンツ推奨の高度化。

  4. プライバシーと透明性のバランス

    データプライバシーへの関心の高まり。プラットフォーム運営の透明性向上への要求増加。

参考資料